「ITというと、通信スピードが速いとか情報量が多いとか、無料で使えるとか、そんなことばかり競い合ってるが、どうでもいい。ITとは人々の生活を豊かにするものだ。」
「グラハム・ベルという男はなぜ電話を作った?事実はわからない。でも僕はこう思う。遠くにいる恋人の声が聞きたかった。それか、心配ばかりする母親に、無事を知らせて安心させたかった。」
「メールに写真を付ける機能だって同じだ。離れている人と同じものを見て、一緒に笑ったり喜んだりしたい。そう思ったから作ったはずだ。ITの中心には、いつも人間がいるんだ。」
「僕らの仕事は、たぶん、大切な人を思うことから始まるんだ。君たちにもそういう人がいるだろう?だったら、その人のために作ろう。ここで。次なる革新は、君たちの中にある。」
【リッチマン、プアウーマン】より。
ドラマの主人公、IT企業の社長・日向徹の最終回のセリフにドキドキする。
開発側の言葉だけれど、そんな思いで作られて世に出てくるものなら、必要以上に恐れることはない。
若い人たちには欠かせないものになっていても、ITというだけで毛嫌いしたり、自分には関係ないといわんばかりに、目を背ける人も決して少なくない。
ガラケーがもうすぐ使えなくなると知らされ、スマホなんて使いこなせないよと困り顔の高齢者にも日々出会うけれど、
人々を困らせるために、新しいものが出てくるわけではないんだよね。
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